今後10年のリターンは、米国株よりも日本株や新興国株のパフォーマンスが上回るか。そして、ゴールドマンが指摘するバブル崩壊前に見られた5つの警告サイン
「今後10年のリターンは、米国株よりも日本株や新興国株のパフォーマンスが上回るか」
ゴールドマン・サックスは米国株に対し慎重な長期予測を発表しています。
同社チーフストラテジストのピーター・オッペンハイマー氏は、
“今後10年で米国株は他の市場に比べ劣後すると予想”しており、
S&P500の年率リターンを約6.5%に留める一方、日本株の年率リターンを8.2%、新興国株を10.9%と見込んでいます。
米国株の高いバリュエーションが上値を抑えるとの見方から、
同氏は投資ポートフォリオの地域分散を促し、“米国以外への分散と新興国への比重拡大”を推奨しています。
実際、2025年に入り米国株(S&P500)のパフォーマンスは他地域を下回っており、世界の株式市場では米国株主導から他地域へのシフトが起きつつあります。
ゴールドマンはまた、米株市場に潜むリスク要因としてAIブームによる株価過熱に警鐘を鳴らしています。
ゴールドマンのグローバル調査チームによれば、AI関連株の熱狂は1990年代末のドットコムバブル期と類似点があり、
テクノロジー投資支出の異常な増加や企業利益のピークアウト兆候、そして社債市場の信用スプレッド拡大など、バブル崩壊前に見られた5つの警告サイン(下記に列挙)が現れていると指摘しています。
同チームは“AIブームが2000年代初頭の熱狂に似た展開を辿るリスクが高まっている”として、
巨額の設備投資を行うメガテック企業への警戒や、株式市場全体の収益性低下の兆しに注意を促しています。
ゴールドマンは総じて、米国株の過度な楽観は禁物であり、日本株や他の地域に相対的優位性があるとの戦略スタンスを示しています。
「ゴールドマンが指摘する5つの警戒サイン」
(1)投資支出がピークに達する:
特にテクノロジー分野への設備投資やソフト投資が異常に膨らみ、これ以上増やしにくい水準まで来ている状態。
(2)企業利益が頭打ち・減少し始める:
株価は強いのに、マクロで見ると企業全体の利益成長が鈍り、利益率もピークアウトして下向きになっていく状態。
(3)企業の負債が積み上がる:
利益に見合わない借入や社債発行が増え、企業部門のバランスシート(財務体質)が悪化していく状態。
(4)FRBが利下げ局面に入る:
景気減速などを受けて中央銀行が利下げを始め、その低金利がかえって投機資金を呼び込み、バブルをさらに膨らませてしまう局面。
(5)信用スプレッドが拡大する:
社債などの国債に対する上乗せ金利がじわじわ広がり、債券市場ではリスク警戒が強まっているサインが出ている状態。
*上記は11月23日(日)配信の高田資産コンサルのメルマガ(無料メルマガ)からの抜粋です。
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